「百年先にも、愛される梅酒を。」
そんな想いを掲げて、1998年に明利酒類が世に送り出した一本があります。
その名も、「百年梅酒」。
梅酒が“家庭の文化”として少しずつ姿を消していく中で、その記憶と味わいを、蔵の手で未来へ繋ごうとする挑戦が、ここから始まりました。
「完成時」ではなく「未来」を見据えたレシピ
百年梅酒が他の梅酒と大きく異なるのは、その設計思想です。
使用する梅は、茨城県産の白加賀梅を100%。
香り高く果肉の厚い品種で、完熟状態で丁寧に選別され、じっくりと漬け込まれます。
加えるのは、焼酎をベースにブランデーと蜂蜜。
複雑な香りとやわらかい甘みが、奥行きのある味わいを生み出します。
しかし、これらは単に「美味しさのため」に選ばれたわけではありません。
この酒は、「漬けて終わり」ではなく、熟成によって味が深まることを前提に設計されています。
瓶詰めされたあとも、時の経過とともに味がまろやかに変化していく。
“今だけでなく、未来の美味しさを想定した梅酒”──それが、百年梅酒なのです。
百年という名前に託された願い
ここには、「百年先まで愛され続ける味をつくっていきたい」という明利酒類の願いが込められています。
誰かの記憶に残る味、時間をかけて楽しむことができる酒、
そして、贈った相手の未来の時間にも寄り添える酒。
そんな想いが、この名前には託されています。
実際、「節目の記念日に開けました」「数年寝かせてから飲みました」
といった声も届いているそうです。
“飲んで終わり”ではなく、“時間をかけて付き合う酒”。
百年梅酒は、そんな存在を目指して設計されています。
今なお進化を続ける“時間の酒”
発売から25年以上が経った現在も、百年梅酒は進化を続けています。
たとえば、ウイスキー樽で熟成させた「樽熟成」バージョンでは、
香ばしいバニラの香りと重厚な余韻が加わり、まったく新しい深みが生まれました。
また、「プレミアム」や「にごり」タイプなど、味の広がりを意識したシリーズ展開も進んでいます。
そして、2025年には「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)」洋酒部門にて金賞を受賞。
その品質と哲学は、国内外で高く評価されています。
“梅酒らしい梅酒”としての本質を守りながら、
変化と挑戦を続ける百年梅酒の姿勢には、時をかけて熟成するワインやウイスキーにも通じる思想があるように感じます。
梅酒に“未来”を託すという贈り方
この酒を贈るという行為には、少し特別な意味があります。
すぐに飲むのではなく、「いつか」のタイミングまでそっと置いておく。
もしくは、節目までじっくり育てる。
そんな風に時間を預ける感覚が、この酒にはよく似合います。
——実はこの原稿を書いている今、
私の左手には、祖母が昔つくってくれた梅ジュースのグラスがあります。
甘酸っぱくて、どこか記憶を呼び起こすようなやさしい味。
その香りにふれた瞬間、「時間を味わうってこういうことかもしれない」と思ったのです。
百年梅酒も、きっと同じように、誰かの記憶に寄り添える酒であるはず。
飲んでみたくなった方へ
もし、ここまで読んで「どんな味なんだろう」と感じていただけたなら、
ぜひ一度、百年梅酒を手に取ってみてください。
冷やしても、ロックでも、お湯割りでも。
その時の気分に合わせて楽しめるのも、この酒の魅力です。
今すぐ飲むのもいいけれど、1年後の自分のために1本取っておくのも素敵かもしれません。
時間が経つほどに、味わいが深くなる。
その変化を、自分の人生のリズムと重ねるように楽しんでいただけたら嬉しいです。